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預金と投資の違いを知って資産形成に活かそう

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老後2000万円問題が騒がれて以来、さまざまな金融機関などで投資や資産運用などで勧められることも増えてきました。

いきなり国が老後資金が2000万円も足りないと言ってきたら困ってしまいますよね。

金融機関などで資産運用の相談会やセミナーを見かけることも増えてきました。

以前の記事で説明した通り、これからの私たちの人生は100年あると言われており、それに伴って老後の資金も必要になっていきます。
今の時代には資産運用は必要なものです。それがわかってはいるもののどうして良いのかわからない方も多いようです。

かんぽ生命の不正販売などを始め、そういった金融リテラシーが低いお年寄りを狙った不正販売も続出しているのが現実なのです。

今回はこれから資産運用をしようとしている人に、預金と投資の違いについてしっかりと理解していただきご自身の資産形成に役に立てていただければと思います。

この記事を読むとこれがわかる
  • 預金と投資の違い
  • 預金の仕組み
  • 投資の仕組み

預金と投資の違い

資産運用初心者にはまず預金と投資の違いをしっかり理解していただきたいです。

一般的な預金と投資の違いは以下の通りです。

預金投資
元本の保証保証されている元本割れの可能性あり
預金保険の有無対象となる対象外
利息(収益分配金)あらかじめ決められた利率に基づく利息を受け取れる運用状況によって収益分配金の金額は変化します。(収益分配金が出ないこともあります。)
手数料一般的にかからない各種手数料がかかります。

預金は銀行やゆうちょなどに預けるだけなので、基本的に元本が変動したり割れたりすることがありません。一方で、投資は変動があり増えることがある可能性もある代わりに、元本割れの可能性もあります。

ひと昔前の日本ではゆうちょなどで普通預金に預けるだけでも今では考えられないような金利が付いていたため預金は金融商品だと思う人も多かったようです。

今の預金はただ現金を預けておくだけの所という認識なので考えられないですが、広く一般に知れ渡っていたということですね。

ゆうちょ信仰はお年寄りに多いのはこういった事情もあるのでしょうか。

銀行の役割には信用創造というものがある

さらに詳しく銀行預金の違いを見てみましょう。

銀行が国から与えられた特権の1つに信用創造というものがあります。

簡単にいうと、銀行は私たちが銀行に預けた現金の10倍の現金を持っていることにしても良いと法律で定められています。現金といっても札束が実際にあるわけではありません。データ上で持っているということにしてもいいというだけです。

なので全国民が一斉に現金を全て引き出したいと銀行に行ったとしても下ろすことができません。銀行はデータとして持っているという前提で取引ができるというだけなのです。要するに借金し放題というわけです。

仮に銀行に1億円の現金があるとします。これを担保に、9億円をデータ上だけであることにして(創造して)銀行の裏側にいるファンドなどで運用するのです。そうすることで、現金がないのに利益を出すことができるのです。

この仕組みをレバレッジと言います。
レバレッジというのはテコの原理のようなもので、持っている現金を担保にそれ以上の力を引き出すイメージです。

この図をみてください。

今銀行Aに4人の人が2500万円づつ預金すると銀行Aには1億円あることになります。その現金を担保に9億円をあることにします。合計10億円をファンドなどで運用してもらうと、年利6%だとすると運用益は6000万円になります。

9億円は後から別の銀行から融資を受けたとして、その金利が3%だとすると、2700万円の手数料を支払うと、6000万年から2700万円を引くと最終的に3300万年残ります。
この3300万円というのは元々あった1億円の元本からすると33%になるので、これは銀行Aの利益になります。そして今ではほとんどありませんが、その得た利益のほんの一部が利息として分配されます。

実際にはもう少し複雑ではありますが、ざっくり理解していただければ大丈夫です。銀行はこの仕組みをうまく利用することで、無理やり借金を作り出し莫大な利益をあげるのです。

さらに、私たちが預ける預金というのはしっかりと運用されているお金とは分けて管理されています。
厳密にいうと、分別管理と言って、銀行が保有する資産と明確に区分して管理することによりたとえ銀行やファンドが倒産したとしても私たちが預けた資産はしっかりと返還されます。この制度を預金保険制度と言います。日本では多くの銀行で1000万円までは返還されることになっています。

この制度では1000万円までしか保護されないので、これ以上の資産をお持ちの資産家の方はどうするのでしょうか。超低金利時代の今の日本では預けているだけでは目減りしてしまうので、金利もしっかりと付き、預金と同じく法律でしっかりと守られているようなところに預けるのは当然ですよね。

投資の仕組み

投資信託(ファンド)というのは資金を集める集合体とでも思っていただければいいです。
何かしらのルートを通じて資金が集められ、その資金を元に運用をされます。
通常私たちが購入する投資信託は少額で購入でき、ファンドが運用して得た利益の一部を購入するという商品です。

ファンドの資金調達の方法は2種類あり、公募と私募と言います。

公募というのは主に一般投資家が購入する広く一般金融機関などで扱うファンドのことでどちらかというとローリスクローリターンなものを指します。一方で、私募というのは一般には公開されていないファンドで、個人的や会社から直接購入するものなどはこちらに当てはまるでしょう。

また預金と投資の違いでもお話ししましたが、
投資と名のつく商品は、価格が変動するために元本は保証されておらずなくなる可能性もあります。

さらに預金保険制度で保護はされていますが、元本が保証されているわけではなく、返還される時の時価で返還されるのでリスクも引き受ける必要があります。

預金と投資どっちが良いの?

一概にどっちが預金と投資のどちらが良いとか悪いとかということではなく、リスクをしっかり知った上で行うべきということです。
しかし、一般に売られている投資信託というものは、仕組みが複雑になっており素人が手を出したとしても、一時的に利益が出たとしても、継続的に儲けることは難しいです。

しかも日本という狭い世界だけで見るとかなり利益を出しづらくなっています。

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